霧海ジ

霧海ジを友人の前で演奏する機会がありました.

霧の中から聞こえてくる鈴(鐘)の音のイメージと説明しましたが,門外の人に尺八(笛)と鈴(鐘)との関係を言葉で説明するのは難しいものがあります.伝説の話では説得力がなく,何曲かを聴いてもらうしかないのでしょう.

さて,霧の中の鈴(鐘)の音とはどんなものかと,練習しながらあらためて考えました.近くで弱く打つと柔らかいけれど芯のある堅い音が出ると思います.近くで強く打つと明るく,堅い強い音が響き,次第に柔らかい音に変わって長く継続するのでしょう.遠くで強く打つと,音も霧で包まれて,柔らく,長い余韻の音がすると思います.遠くで弱く打つと曇った弱く,短い音がすると思います.鈴(鐘)を連打すると,次第に少しずつ早くなり,早くなるにしたがって音が弱くなるのが自然でしょう.連打の間隔が短くなると,余韻が重なり,音の減衰が少なくなるように思います.連打の最後の1,2音は少し強く,少しゆっくり打つことになりそうです.こんなことを考えていると,曲の中で音の強弱と,音色と,音の形を工夫することで,音の距離も感じられるようになれたらいいなと思いました.

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霧海ジ

この2週間ほど,久しぶりに霧海ジを集中して練習できました.

久しぶりの演奏だったので,一つ一つの音を確かめて修正しながら...という練習でしたが,なかなか面白かった.

その結果;
これまで長いと感じていた曲なのですが,今は,そんな感じは全くしません.演奏していて楽しい曲です.

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霧海ジの音階

昨日の,フレーズ最終音についての考察は,以前にも書いたように;
ロ=イ=ハ四五メ(またはフ)=ツ(大メ)=D,また,レ=ウ=G
として行いました.

現在の実際の対山派の演奏はそうなってはいません(少なくとも私が習ったしばらく前には).でも,前回の考察ができるということは,音楽が既存の音階を使って生まれるという前提がある限り,本来はこの音程で曲は出発したのではないでしょうか.伝承の間にメリ音の音程がずれ上がっていったのではないかと私は考えます.

その原因が,音階に関する感覚の鈍感さによるのかまたはメリ込みの技術不足の結果なのか,それともそのような新たな音階感覚を望んで得たものかが,私にはわかりません.

その過程と原因はさておき,私にとっての課題は,私がどの音程を使うか,です.

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霧海ジのフレージング

神譜の霧海ジにはフレーズが記入されていませんので,自分で考えてみることになります.

(以下1尺8寸管の音程で説明)

いくらか恣意的なところもどうしても出てきますが,前奏を除くと,私は25のフレーズに切りました.フレーズの終止音は,14がD音,8がG音でした.一方,フレーズの始まりの音は,装飾音を除くと,11がG音,10がC音でした.つまり,ほとんどのフレーズがGかCで始まり,DかGで終わるのです.これだけみれば,概ね他の曲と違いません.

霧海ジの旋律の特徴は,多くの日本伝統音楽のように音が隣の音に移らず,離れた音程の音に飛ぶことが多いという特徴があって,それが莫とした印象を旋律に与えているのではないかと思います.

このようなフレージングを意識しながら,今日,あたらめて演奏してみたところ,これまでの漫然とした演奏と異なり,相当に新鮮な感じがしました.

また,「レレーレ(甲),イイー,レレー(乙)」(←実際には装飾音あり)という,階段を下りるように5音音階の核音を降りてくるフレーズも浮き上がってきたのは,一つの発見でした.

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霧海ジの冒頭

霧海ジの冒頭の一節,前奏(と,私が勝手に定義している)部分は,尺八本曲的な典型的な部分だと思います.

使われている音は,D音とC音の2つだけ.それでも退屈しないのは?

途中に乱れ拍子の連打があって,拍節に変化がつけられていることが一つ.もう一つはD音がロとイで使い分けられ,硬く強いロ音と,柔らかいイ音が交互に出てきて,変化がつけられていることです.

ロ音で始まりロ音で終了し,その中間に拍節の乱れで聞かせどころのある,完結した一つのフレーズになっています.

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霧海ジ

霧海ジは調性の無い,またははっきりしない曲だと思っていました.そのために霧の中に漂うような独特の雰囲気があるのだろうと思って演奏していました.久しぶりに楽譜(対山派明暗教会譜)を持ち出してしげしげと眺めてみると,そうでもないのでは? と,感じました.

旋律の流れをみて,22のフレーズに区切ってみました.一部に区切りが良く判らないところがありますので仮の区切りです.そして,その終止音を並べてみると...

現行の対山派の演奏は5音音階に正確には当てはまりませんが,楽譜上(≒伝承上)の音階として,
ロ=イ=ツ(大メ)=D,また,レ=ウ=G,
としました.

すると,22のフレーズ終止音のうち,15がD音,5がG音,残りの2がA音でした.最後の2つのA音は,チのカリで,もともと5音音階から外れた音なので,これを除くとすべてがDとGという,5音音階の中の核音でした.

楽譜に暗示されているとおりに音階を演奏した場合には,霧海ジでも明確な調性が現われるようです.ただし,そのような演奏を良しとするかどうかは,感性の問題でしょう.

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