Endangered species

尺八の話ではありません.

15年ほど前のことです.定年間近のある男性と一緒に仕事をしていました.明るくて親切で,人が良く,働き者でした.ただひとつ問題があって,それは彼の話す言葉が理解できないことです.4年半の間毎日一緒に仕事をしましたが,結局,最後になっても彼の話す言葉は半分も理解できませんでした.私が困っているといつも中に入って通訳をしてくる若者がいました.彼は両方の言葉を完全に操るバイリンガルでした.

これは外国の話ではありません.人口50万人(当時)の都市,鹿児島市での経験です.鹿児島弁(「かごんまべん」,しかし私は「鹿児島語」と言いたい!)は,辞書・教科書が無い分,私にとっては英語より厄介でした.

UNESCOが世界の消滅の危機にある2500言語を報告しました.
この中に,日本の8言語が含まれています.

かつてあるベトナム人と話をした際,ベトナムでは主要民族(=majority.importantの意ではない)で人口の80%以上を占めるKin族(たぶん「京」族)以外に80以上の少数民族がいて,それぞれの言語を使用しているということに対して,私は,日本は在来民族としては少なくとも3民族があり,その内の主要民族は「Yamato」で(←これは話を簡単にするための用語です),在来の言語は少なくとも3言語があり,共通語は「Japanese」だと答えました.私としては少々控えめに言ったつもりです.そのベトナム人の反応は「たったの3か?」でした.

日本について「単一民族」という神話もかってはありましたが,自身を客観的に見ることも面白いことです.

つい最近,「The Komuso Shakuhachi player is one of the endangered  species.」と言ったばかりなので,上記の記事が特に気になりました.

さて,最近,また顎の調子が少々良くないと感じていたら,どうも尺八の吹きすぎのようです.1日15分,休日1時間~2時間ですからたいした演奏でもないのですけどね.せっかく長管も思うような音が出てきたし,頭の中にも「うた」が流れるようになって,「絶不調」から抜け出していたのに・・・またしばらく練習は減速します.

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ある古刹にて

先日,ある田舎町を歩いていて予期せず古刹を訪問しました.もちろん大寺院ではありませんが町の大きさには不釣合いな大きなお寺でした.山門を入り木立に囲まれた参道を行くと,3,4の寺院が並んでいました.さらに進むと数段の石段を2回上がることになり,両側の杉の巨木を過ぎるとその先には深い木立に囲まれた静かな境内があり,木漏れ日の石畳の奥に建立後450年以上たつと言われている茅葺の本堂がありました.本堂の前では風にゆれる木々の音だけが聞こえてきました.ここは...この本堂の前は...尺八本曲を演奏するのにうってつけです.

なんのことはない,このお寺は私の郷里のお寺です.正月に帰省した折,連れて行った愛犬の散歩をしながら,かつてワルガキ友達と忍び込んで遊んだお寺に約40年ぶりに行ってみたというだけのことです.月日が経ちものの見方が変わると,こうも印象が変わるものかと驚いた次第です.

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一年を振り返って(その1)

今年の初めに新しくやりたいと思ったことが一つありました.本曲用の記譜法を5線譜風に工夫したら,簡単な記譜にならないかということです.ただこれはすぐ中断してしまいました.切羽つまったところに追い込まれないと作業はすすみません.

その代り,新しい曲には手を出さないというそれまでの気持ちが変わってしまって,「蓮芳軒・喜染軒鶴之巣籠」と「大和楽」(共に神如道譜)に挑戦しました.前者は面白いのですが,すぐに挫折.後者はすぐに身につきましたが曲想がつかめずしばらく保留とし,その後,長管に手を出してからやっと曲のイメージがつかめてレパートリーの一つになりました.

3月末に町田市でふらりと入った古本屋さんで尺八関連本を見つけ2冊を購入.これがきっかけになってインターネット上に多くの古本屋さんが本の情報を出していることを発見.今日までに明治~大正期の4冊を購入しました.買うのは簡単,読むのは大変.それでも今も毎週,在庫・出品状況の検索をしています.

5月にパソコンを更新し,Windows98+ダイアルアップ接続から一気にVista+光回線にジャンプアップしました.ホームページ・blogの更新が楽になりました.よくここまでダイアルアップで我慢してきたものです.

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米国の尺八(1986年)

昔々の写真を整理していたところ,こんな写真を見つけました.

22年前,1986年,米国ウィスコンシン州(中央北部)のArt & Craft Fairで尺八を売っていました.写真の左側のサングラスの青年の作品のようです.Japanese Fluteということで,上に展示されている横置きの笛が横笛,下の縦置きが尺八でした.Shakuhachi; Japanese Meditation Fluteとの表示でした.横笛も尺八も多数のサイズが並べてあります.尺八には$25の値札が見えます.値段相応な造作と思います.今だったら手にしてみるのですが,当時は尺八中断中だったので,写真を撮っただけでした.
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善養寺氏演奏会

善養寺氏演奏会に出かけました.

○「調子」 & 「秋風の曲」

調子は演奏曲として演奏する場合,尺八の音色,一音一音の完成度が完璧に求められる曲です.個人の個性としての音色か,使用楽器のためか,当然その両方でしょうが,強く,柔らかく,流れるような,聴きほれる音色でした.「調子」は一つの盛り上がりを示しながら,「秋風の曲」の序曲として静かに消えていきました.

寂寞とした「調子」に続いて静かでしかし色彩豊かな「秋風の曲」の序曲が始まりました.初めて聴いた「秋風の曲」は深い悲しみを美しく歌いあげた曲です.この曲は不思議な曲で,古典的なフレーズを使い,伝統的で堅固な構成をもちながら,曲の流れを乱すように異質で現代的な響きの短い手が曲の中に挟み込まれて聞こえてきました.お二人の演奏全体も現代的で新鮮な印象がありましたが,これは私が筝曲を聞きなれていないせいかもしれません.

「秋風の曲」の序曲に「調子」を置くことで,「秋風の曲」の皮相を透かす光がさして,そうでなければ私には見えなかった曲の奥が垣間見られたように感じました.

それにしても,筝曲を二尺四寸管で演奏するとは・・・

○「残月」

ほぼ30年ぶりに腰を落ち着けて聴いた地唄です.ですから何とも言えません.善養寺氏の演奏会ということで,尺八が全面に出た演奏でした.私としては尺八の演奏を楽しめる合奏でした.尺八が客演だった場合の善養寺氏の演奏はどのようになるのか,また主演客演の関係の無い演奏だったらどうなるのでしょうか.

○布袋軒所伝「鈴慕」

「残月」の演奏のあとの尺八本曲ということで,なんとなく会場にも,ステージ上にも,地唄の余韻が残っているようでした.地唄の難曲の演奏の余韻を完全に消し去るには15分の休憩では不足だったように感じました.ただ,善養寺氏には「ところがいつのまにか・・・・古典本曲にも三曲にも・・・・二つの尺八は融和することが出来るのではないかという夢を見るようになったのでした」との意図があったとのことでした.私の印象では,その意図は「秋風の曲」と「残月」で実現しましたが,古典本曲ではまだ道半ばであったのではないかと思います.私の耳が未熟だったのかもしれません.また,このような機会を経験させていただきたく思っています.

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久し振りの尺八

先週末,ほぼ1か月ぶりで尺八に息を入れました.また顎に異常がくるのではと恐る恐るでしたが,それほどひどいことにはなりませんでした.訪ねてきてくれた知人と話をしながら,吹き合わせをしながら約2時間.なんとか顎はもちましたし,それほど恥ずかしい演奏にもなりませんでした.

久しぶりに実際の音を出してみると,深い息をするのも気持ちがいいし,振動する空気柱を包み込んだ尺八を両手で持っているのも気持ち良く,頭の中だけの演奏とは全く異なった気持ちよさがあります.これだから止められない.

まだ十全の回復ではありませんが,そろそろ復活したいものです.

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雅楽

雅楽の演奏会に行ってきました.演奏者は東京芸大の学生さんです.最近はこの種の演奏会は最前列で聞くことにしています.今夜は屋外で満月(?)を見ながらの演奏会.ちょっとした息使いまでわかるような最前列は良い席でした.演奏を離れて解説をすれば若々しい学生さんでした.

しかし・・・どうして我が国はこのように扱いにくい楽器を良しとして残したのでしょうか.笙は美し音色であるものの半端でなく扱いにくそう.篳篥は楽器と思えないほど音が出しにくそう.龍笛は音がかすれているし,音程が合っているのかいないのか・・・

いつ始まって,どのように曲が動いているのか判別がつきません.よく暗譜しているものだと感心しました.もっとも,以前のテレビで口伝と言っていたような記憶がありますので,それなら暗譜という考え方すら無いのかもしれません.もっとも,私も根笹派「流し鈴慕」を演奏した時にどうやって覚えているのと不思議に思われましたので,それぞれの世界ではそれぞれのやり方があるのでしょう.

そういえば,今日,久しぶりに根笹派の曲を練習していたところ,「虚空」を吹いているうちにいつの間にか「門附け」になってしまった....

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演奏会

善養寺氏の演奏会の案内です.

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Clarimonia演奏会

先週のことですが,Clarimoniaという3人のドイツ人のクラリネットアンサンブルのコンサートに行ってきました.現代のクラリネット以前に18世紀初頭から作られたクラリネット古楽器の復元楽器やそれと同時代のバセットホルン(クラリネット族)を使ったアンサンブルです.すべて柘植の木で作られていて,特に最も初期のものはメカニカルのキーもなく指孔だけで,大きさといい尺八が出てきたかと驚きました.古クラリネットは音程の調整や音出しそのものもやや難しそうでしたが,そこで苦労しているのがいかにもと聞いている者に伝わり,なんとも言えない楽しさがありました.初期のクラリネットはトランペットのような響きがあり,その後のクラリネットは柔らかな暖かな音色でした.演奏会は古楽器の解説,古い曲の解説も入り,和やかで楽しいものでした.

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演奏会

このような演奏会に行ってきました.

尺八は都山流のグループです.

2008_08_24

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