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今野真二(2012)「百年前の日本語」

今野真二(2012)「百年前の日本語 書きことばが揺れた時代」岩波新書

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尺八関係の本ではありませんが,尺八関係の古い本を読む中でいろいろ疑問に思った明治時代の文章の表記法を記述した本です.

私が明治時代から大正時代の文献資料を読む中で表記法で奇妙に感じたことは,たとえば,この時代はいわゆる「歴史的仮名遣い」のはずが必ずしもそうばかりではない,時代をさかのぼるほどに変体仮名が使われることも多いのですが同じ文章の中でも同じ使い方ではない,送り仮名が同じ文章の中でも一定ではない,などなどです.当然ながら,当て字風の漢字もあるのですが,同じ文章の中ですら一定ではありません.

著者の今野氏によれば,書き言葉の表記法が一定とされて,それが「常識」として徹底さあれるようになったのは終戦後であり,わずか数十年の歴史しかなく,日本語の歴史からみれば表記に揺れがあり,幅があった時間の方が格段に長い,ということになります.

この本を読んだからといって,明治時代の文献が読みやすくなるものではありませんが,なるほどそういうものかと得心した次第です.

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