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中山啓「詩集 火星」

国会図書館で公開されている作品です.

中山啓(1924)「詩集 火星」新潮社
(著作権保護期間満了)

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序にあたる「序詩」は,このフレーズで始まります.
  熱情が燃えて火を吹くとき
  孤獨の淋しさが滴るとき
  いつもそれは凝つて詩になるのだ

尺八が出てくる詩「尺八を吹く男」では,関東大震災後の焦土の夜に瓦礫の上でひとりで尺八を吹いている男がえがかれます.関東大震災で家族も財産も失ったと云います.「冴えすんだ月」の下,男がひとり吹く尺八は「低い悲しい調子」で,これを聞いて「」は「何といふ嘆くやうな恨むやうな/めいるやうな悲しい音色であらう」と感じます.尺八吹きは「」という「訪問者」と交ることなく「月光の霞んでゐる彼方へ去つて」しまいました.

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