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石塚杏葉「石塚杏葉第一詩集 夕風に散る」

国立国会図書館で公開されている詩集です.
(文化庁長官裁定を受けて公開)

石塚杏葉(1922)「石塚杏葉第一詩集 夕風に散る」青流社出版部

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著者は本書の最初に詩「序に代ふ」の冒頭で,
 世のすべての人々の
 落ちつく所はみんな一つなのだ

 ・・・[中略]・・・
 みんな
 「死」の家に到達するのだ

として,本書での著者の基本姿勢を示します.

そして,尺八吹きが出てくる詩「尺八を吹く者」では,「死の影のやうな濃い影」の「盲目の尺八吹き」の姿が描かれ,その尺八の音は,
 世を呪ふやうな
 世を恨らむやうな
 自己を悲しむやうな
 その音を聞いてはおのづと引締まり
 涙ぐましくなる

とされています.

尺八吹きは「眞夏眞晝の太陽」の下の明るい道を,
 黒い魔の如く死の影の如く
 静かに歩みを續けて行く

社会に背をむけ,一人で尺八を吹き,消えていく・・・・
というのが,この尺八吹きに与えらえたイメージでしょうか.

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