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葛飾北斎「北斎漫画」

葛飾北斎「北斎漫画」(復刻版)1878年 片野東四郎

毎年,春と夏に小布施に行くことが年中行事になっています.そして,この連休にも行ってきました.今回は久しぶりに北斎館に入りました.同館のミュージアムショップで北斎漫画の画集を販売していたので何気なくページをめくっていると,尺八奏者と虚無僧の絵が目につきました.そこで帰宅してから国立国会図書館の近代デジタルライブラリーの北斎漫画を検索してみました.

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葛飾北斎は,ご存じのとおり,幕末の異才で,晩年に長野県の小布施で一時期をすごしています.北斎漫画は,徒然に描いたスケッチ帳のようでもあり,絵の手本帳のようでもあり,一方,出版後は当時のベストセラーになりました.1814年(文化11年)に1編が出版されてから,増刷されたり,また続編も出版され,結局最後の15編は明治になってからの1878年(明治11年)に出版されています.

2編の九折めに庶民の男性たちが楽器を演奏している図があります.このうちの一人の楽器が縦笛で,楽器の詳細はわかりませんが,消去法で考えると虚無僧尺八型の尺八と思われます.

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3編の十七折めに,多数の人物画と動物画があり,これらがどういうまとまりなのか何とも言えませんが,その中に突然に,虚無僧が尺八を吹きながら歩いている図が描かれています.

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13編の十一折めに3編と同じ虚無僧の図があります.こちらは「略筆の編」の一部となっていて,3編の図よりは簡略に描かれています.こちらの図では帯刀しているようにも見えます.

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ところで,北斎漫画は活き活きとした筆致で庶民の生活が描かれていて大変に面白いので,尺八・虚無僧は別にしても,是非,見てください.

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コメント

以前メールでお知らせしましたが、この北斎の絵にある四人組みを題材にして、小布施でコンサートが開催され、それを聴きに行って来ました。

http://www.youtube.com/watch?v=WXXAXW2yJvY

これは一つのプロジェクトとして行われたもので、描かれている人たちがその時代にどういうバックグラウンドだったのか、などをコンサートを創作するに際して専門家を交えて議論したそうです。

そこで、後ろの二人は、当道の人たちだろう、ということと、尺八らしいものを吹いているのは虚無僧。そして、胡弓を持っているのは、単なる町人という結論だったそうです。

後ろ左側の人が演奏しているのは、木琴だろうということなのですが、このプロジェクトでは実際のその楽器を作ったとのことです。当初、私はインドネシアのガムラン楽器の一つが当時の日本に来ていたのではないかと、非常に心躍ったのですが、実は明清楽と共に日本に入ったようです。明清楽が流行ったのは北斎の時代よりも後ではないかと思っていたのですが、北斎は非常に長寿だったようで、彼の生きている時代にすでに明清楽は流行っていたようです。

後ろ右側の楽器は、箏のように見えますが、よく見るとこれは琴ですね。七絃琴なんだろうと思いますが、柱を使っているようにも見えますので、箏のようにして弾いているのかもしれません。和琴ということは無いと思いますが。ちなみにコンサートでは箏を使っていますし、この絵も箏ということにして話を進めていました。しかし、このプロジェクトをリードした野村氏はこれが琴であることは知っていました。

左前の人は袈裟を着けているように見えますし、虚無僧なんだろうと思います。この時代に糸と合奏するということが普通にあったのかどうかはわからないところですが、あまり大っぴらにするとまずいので、後ろから書いているのかなぁ、なんて想像もしてみました。しかし、他に紹介された虚無僧の絵はみんな斜め後ろからの構図になっていますし、北斎の趣味だったのかな、と考え直しているところです。

もう一人の胡弓ですが、確かに町人のようだけど、いくらなんでも通りすがりとは思えません。当道の人たちもいることですし、胡弓を習っている人だと思います。ただ、この胡弓、三絃並みの大きさですので、現在使われている普通の胡弓とは違っています。

いずれにしても、非常に興味深い絵だと思いますが、北斎が書いているぐらいですから、かなり有名な絵なのではないかと思いますし、それなりに以前に研究している人も居るのでは、というのが現時点での私の関心です。

投稿: Toorak | 2012年5月 9日 (水) 15時19分

もちろん北斎館で北斎漫画の本のページをめくったのはToorakさんのご指摘を覚えていたからです.

そこで,この尺八演奏者ですが,小さい絵ではっきりわからないものの,袈裟を着ているように見えますし,頭も散切り頭のようにも見えるので,ひょっとしたら普通の町人ではない・・・虚無僧? とも思われます.しかし,これだけ見ればそんな風にも見えますが,問題はこのページ全体で,ページ全体がすべて町人の様々な姿を活写しているので,とてもこの演奏者一人が「虚無僧」とは思えない,ということです.明らかな虚無僧が描かれた他の二つのページには,様々な身分・職業の人物が描かれていますが,この尺八演奏者のページは町人だけです.ということで,「文脈」を考えると虚無僧ではないとみる方が自然です.江戸時代末期ですし・・・?

正確のところは良く判りませんが.

投稿: Yatou | 2012年5月 9日 (水) 22時58分

訂正です.

尺八演奏者の描かれたページを良く見ると,お坊さんもいました.ページの真ん中あたりの裃の人物は,講談師かなんかの芸人かと思いましたが,刀っぽいものを腰にさしているので,武士かもしれません.

そうすると,やっぱり虚無僧?

これ以上はわかりません.

投稿: Yatou | 2012年5月 9日 (水) 23時12分

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