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文部省社会教育局(1936)「文部省推薦認定レコード目録 第5輯」

国会図書館で公開されている文献です.(著作権保護期間終了)

文部省社会教育局(1936)「文部省推薦認定レコード目録 第5輯」文部省社会教育局 (昭和11年)

Record1936

この時代に文部省推薦認定というのがどういう意味をもつのか,私にはよくわかりませんが,私の子供のころの「文部省推薦」の意味から類推すれば,正統的,高尚,「教育」的などの,強い意味があったのではないでしょうか.

凡例
本書は本省に於て昭和七年六月より昭和十一年五月迄の間に推薦及認定せる蓄音機レコードを整理輯録したるものにしてレコード利用上の資料たらしめんとするものである

「推薦レコード」の区分と「認定レコード」の区分がありますが,後者には琴.尺八関係のレコードは含まれていません,「推薦レコード」の中に「琴尺八及三曲」の区分があります.ここに含まれる全73盤のうち,地唄・箏曲が29,いわゆる新曲が38,民謡が3,尺八古典本曲が3です.

尺八古典本曲は;
 上田芳憧・上田竹童「鶴の巣籠・追分」,コロムビア,藝術的
 宮川如山「虚空」,コロムビア,藝術的
 宮川如山「調子・阿字観」,コロムビア,藝術的

ちなみに民謡3盤はすべて尺八演奏で;
 菊池淡水・榎本秀水「江差追分」,コロムビア,娯樂的
 菊池淡水・外二名「松前追分」,太陽,娯樂的
 吉田晴風「正調追分」,ビクター,藝術的

尺八本曲として3盤が入っているのは,この時代としては意外に多いのではないでしょうか.ただし琴古流本曲や都山流本曲が入っていないのもやや不思議に感じます.目的区分として児童的,娯楽的,芸術的の3区分があり,尺八古典本曲はすべて芸術的ですが,民謡は娯楽的と芸術的に分かれています.

なお,端唄・小唄の区分に民謡が多く含まれています,当時の文部省としてはそういう扱いなのでしょうかね,庶民的,土俗的なものは相手にしないのでしょうか.現代の目でみて奇妙に感じるのは,薩摩琵琶の区分と筑前琵琶の区分で,これらでは伝統的な演目よりも戦記ものが多いのです.

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