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林不忘「つづれ烏羽玉」

林不忘「つづれ烏羽玉」(つづれうばたま)

青空文庫に収められている作品です.林不忘は「丹下左膳」が有名です.

この小説「つづれ烏羽玉」の執筆年は判りませんが,林不忘の生没年が1900年~1935年であることから,1925~1935年頃,つまり大正末期から昭和初期の作品と考えられます.この小説は江戸末期,倒幕の動きが聞こえてくる頃の江戸を舞台としていて,軽妙な文体で江戸の風景が生き生きと描かれています.その一節です.・・・しかし・・・・尺八で犬を追ってはいけませんね.しかも,一応,虚無「僧」ですしね・・・・・

 名にしおう日本橋の大通りだ。
 ずらりと老舗(しにせ)がならんでいる。
 右へ向かって神田。
 焙烙(ほうろく)で、豌豆(えんどう)をいるような絡繹(らくえき)たるさんざめき、能役者が笠を傾けて通る。若党を従えたお武家が往く。新造が来る。丁稚(でっち)が走る。犬がほえる。普化僧(ふけそう)が尺八を振り上げて犬を追っている。

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