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藤田鈴朗「尺八通解」

古本屋さんで藤田鈴朗(1919, 1929)「趣味研究 改訂 尺八通解」を入手しました.

箱を良く見たら「贈呈」の印がありましたので,著者から知人に贈られたものかもしれません.残念ながら蔵書印・サインはありませんでしたので,持ち主が誰だったかはわかりません.

なかなか読みごたえがあって面白そうです.読みこなすのに少し時間がかかりそうなので,後日に感想を書きます.

とりあえず,ざっと見て,目がとまったところを3点.

1.本曲について
以下の記述がありました.
「此の尺八曲は大体が本曲と外曲との二種に岐れる,順序としては外曲により尺八一切の素養を得,形式を消化し,妙用を得て,それから後本曲に入るである,蓋し本曲は形式を超越した純主観的のものであつて,今それを直ちに筆にするのは却て誤解を招く処がある,よって本著は専ら外曲に関する尺八解説として説述したのである.」
この学習の順は,私が尺八を習い始めたとき(この記述から約60年後)に言われたこととほぼ同じです.でも,今は「そうかな?」と考えています.この違いは何なのかと考えてみたいと思います.

2.バイオリンと合奏
音合わせの方法として;
 尺八の「レ」を,バイオリンの「ミ(E)」 (←「ソ(G)」ではないの?)
 尺八の「り」を,バイオリンの「ラ(A)」 (←「ド(C)」ではないの?)
とのこと.そして,「1尺8寸管を以てしては其調子高きに過ぎ・・・故に専ら1尺8寸管又は二尺管を用いて合奏する」とあります.ピアノやオルガンとの合奏はどうしたのでしょうね?

3.「正格」
「尺八学習者の為めに」の節の初学者が持つべき心がけが書かれていますが,その中の一章が「教師に就いて正格を学ぶ事」です.「正格」はほとんど使ったことの無い単語ですが,目からウロコが落ちるほどの良い言葉です.これからは使っていこうと思います.

正格:規則の正しいこと。また規則にあてはまっていること。(大辞林)
   決まった規則にきちんと合っていること。また、正しい規則。(広辞苑)
正確:正しく、たしかなこと。まちがいのないこと。また、そのさま。(大辞林)
   正しく確かなこと。事実と合っていて少しもまちがいのないこと。また、そのさま。(広辞苑)

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コメント

この本は時代は感じますが、今でもなかなか考えさせられる所があります。
邦楽のことをよくわかっている評論家で今はこういう人がなかなかいませんね。流にかたよらず幅広くコーディネートするタイプで、いうべきことは言っているような気がします。
ちなみに藤田鈴朗の名前「鈴朗」は「レーロー」から来ているそうです。(本名だったと思います)

投稿: ろめい | 2009年7月19日 (日) 09時45分

>>「教師に就いて正格を学ぶ事」

「正格」とても良い言葉を教えてくださって有難う御座います。 

私の師匠が常日頃言っているのが、正にこの言葉に含まれてします。
知識が無いので、難しい昔文章は理解できませんので、優しく読み下して、教えてください。

稽古前に、頭で唱えます。 「正格」

投稿: 単管丸 | 2009年7月21日 (火) 14時59分

「正格」ですか・・・。
能でいえば「守破離」の「守」ではないでしょうか。

残念ながら、今の時代にあった尺八楽の「正格」など存在しないのではないか、と思う。

投稿: じなしふくぞう | 2009年7月21日 (火) 23時56分

そんな事はないと思います。「今時の若い者は…」という言葉はいつの時代にも存在すると思います。
今時の若い者も、本当に優れた師匠に付けば影響されて、守破離の守をまず追求すると思います。師弟の絆は深いものですし、今時の若い者も捨てたものではありません。
と思います。

投稿: | 2009年7月26日 (日) 01時10分

こういう話に深入りする場合は,藤田氏本人の意図を理解してからの方が良いと思います.まだ著作権が切れていないのでそのままの引用はできませんが,近いうちに藤田氏の意見を紹介します.

一般的に言えば,規則があればそれを正しく学ばなければならないし,規則がなければ自分なりの規則に従う,ということでしょうね.行き当たりばったりということは無いはずです.

投稿: Yatou | 2009年7月26日 (日) 14時38分

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