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一年を振り返って(その4=終)

2年ほど前から明治・大正期の尺八関連本や,尺八が出てくるその時代の文学作品を読んできました.まだその時代の人は江戸末期の虚無僧達の尺八の音を知っているのではないかと,考えたからです.それらの本の記述どおりならば,明治維新後に普化宗が廃止になって明治初期には一部に虚無僧を懐かしむ声もあり,明治中期には一般人の間に尺八愛好家が増えていたようです.その時代以降,尺八演奏家たちは伝統の枠から出て尺八の可能性を追求し,西洋音楽との融合も試み,中には世界を目指した人たちもいたようです.文学作品では,暗い遊郭でじめじめした物悲しい尺八の音が描かれる一方,若者衆が尺八をちょいと腰にさして夜遊びに出かけるようなことも描かれていました.ということで,古い伝統の尺八はどんなものだったのか,またどのような音に聞かれていたのかということは,未だにわからないでいます.ただ,結局そういうことであれば,肩肘はらずに素直に尺八の音を楽しんでいこうと思います.尺八の音に何も足さず,何も引かずに,すなおに音を聞こうと思っています.

===(「一年を振り返って」終わり)===

さて,年が明けて2日には,高校・大学の同級生であり竹友でもある知人と浜松の普大寺跡を訪問する計画を立てています.尺八については新年に向かう大志のようなものは全く持っていません.年初の意気込みもなく粛々と練習して演奏を楽しんでいきたいと思っていますが,始まってみれば何かはあるかもしれません.

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一年を振り返って(その3)

本格的な初積雪になりました.一面の雪景色です...といっても,周りでは最大5cm程度ですから,雪の「景色」だけです.

====[続き]

そんなこんなで調子にのって練習していたところ,前記のように4~5本の楽器を持ち替えての長管の練習やアンブシュアの改造の練習に加えて,仕事上の強烈なストレスと生来長年の顎の問題が加わって,9月末に顎に異常をきたしました.口をあけると左顎の関節が引っ掛かって口が閉まらなくなり,その引っ掛かりを外すときに激痛がはしりました.食事も思うにまかせませんでした.通院したものの,尺八の練習は中断せざるをえなくなりました.

尺八の演奏ができない期間は頭の中でイメージ演奏をしていました.12月中旬になって顎が回復してきて,練習を再開できるようになりました.練習の再開のときには,少し練習を休んだから技術がステップアップしているかと期待したのですが,そうでもありませんでした.そういうのは休む前に猛烈に練習した場合に限るのでしょう.今は2尺管を中心にして練習しています.

春と夏には遠方より竹友が来訪してくれました.春にはオーストラリア人の歓迎パーティー,夏には地域での大学同窓会で演奏を披露しました.尺八のレッスンは2回うけました.10月には善養寺氏の演奏会に出かけました.10月に滋賀県で「虚無僧池」という名前の湧水池をを訪問しました.この時に大津絵の中に「女虚無僧」の画題を見つけ,作家にメールを出しながら携帯ストラップを購入しました.

(まだ続く)

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一年を振り返って(その2)

何を思ったかきっかけが思い出せないのですが,手持ちの長管に手を出しました.持っていてもあまり演奏していなかった2尺管,2尺1寸管(木管),2尺3寸管です.少し音が出るようになると気持ち良くてハマってしまいました.2尺管は音が少々出にくいのですが,いかにも竹の根っこという外観で楽しい楽器です.2尺1寸管(木管)はメリ音が出しにくく,音が出ればビール瓶のような音という楽器で本曲志向の私には不向きですが,一旦音が出れば大きく良く鳴り,音程は正確,節無し黒塗り曲管というかわいい(と私は感じる)楽器です.2尺3寸管は太く重く固い音が出る迫力のある楽器で(楽器自体も太く重く固い),これで「大和楽」を演奏するととても気持ちが良い.

長管に手を出したころから思いきってアンブシュア(≒息の吹き込み方)の改造をいくつかの点で試みました.実は極めてわずかの変更なのですが,30年来の変更という意味では重大な作業です.たぶん良い結果になっていて,門外漢の知人からも上達したと評価されました.今でもまだ安定はしていませんが,ほぼうまくいっていると考えています.「唇で息の流れの形を感じながらやわらかい息を吹きこむと,あとは尺八が勝手に音を出して響く」というイメージです.尺八がよく鳴るようになり,メリ音も響くようになっただけでなく,音色も変わったように感じています.

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一年を振り返って(その1)

今年の初めに新しくやりたいと思ったことが一つありました.本曲用の記譜法を5線譜風に工夫したら,簡単な記譜にならないかということです.ただこれはすぐ中断してしまいました.切羽つまったところに追い込まれないと作業はすすみません.

その代り,新しい曲には手を出さないというそれまでの気持ちが変わってしまって,「蓮芳軒・喜染軒鶴之巣籠」と「大和楽」(共に神如道譜)に挑戦しました.前者は面白いのですが,すぐに挫折.後者はすぐに身につきましたが曲想がつかめずしばらく保留とし,その後,長管に手を出してからやっと曲のイメージがつかめてレパートリーの一つになりました.

3月末に町田市でふらりと入った古本屋さんで尺八関連本を見つけ2冊を購入.これがきっかけになってインターネット上に多くの古本屋さんが本の情報を出していることを発見.今日までに明治~大正期の4冊を購入しました.買うのは簡単,読むのは大変.それでも今も毎週,在庫・出品状況の検索をしています.

5月にパソコンを更新し,Windows98+ダイアルアップ接続から一気にVista+光回線にジャンプアップしました.ホームページ・blogの更新が楽になりました.よくここまでダイアルアップで我慢してきたものです.

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川瀬復童「曲譜 尺八早指南」

今日,1時間半ほど尺八を吹いていて,ようやく練習中断前の音に近い音が出てきたように感じました.1時間を過ぎると調子が出てきましたが,今日の練習はここまでにしました.毎日3時間くらい練習したら上達するだろうなと思いました.顎は3時間練習しても大丈夫みたいです.

古本屋さんからinternet経由で川瀬復童「曲譜 尺八早指南」(1907年=明治40年)を入手しました.「現今は各地至る処之(=尺八)を弄ぶ者多く又其技術に巧みなる者尠なからず」として「初学者の練習」のために簡単な解説と曲譜が書かれています.曲は君が代,蛍の光などや,地唄・筝曲では黒髪・六段などです.しかし,文字譜から旋律を読み取るのは不可能とは言いませんが本当に難しい.明治40年では五線譜は無理かなぁ.

Kawase

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(ほぼ)完全復活

根笹派の曲を続けて一通り演奏してみたところ,1時間余の演奏を顎がほぼ無事のままなんとか終わることができました.そろそろ本格的に練習を再開できそうです.年末の連休にはまとまった練習ができそうです.

ただ,3か月間もろくに音を出していないのですから,まともな音が出てこないのはやむを得ない.また,顎の使い方も変えているのですから,さらに自由になりません.

このところ,音が出ればいいや...というようないい加減で楽しい練習を続けてきましが,先週,久し振りに「曲」を考えてみたところ,曲の演奏の中では音を出すよりも音を出さないことを制御するほうが難しいと感じました.今日の練習でその理由がわかりました.

初秋以来,私の秘密練習場は全部の機械が終日全稼働していてかなりの騒音を出しています.その中で演奏しながら,しかも音が出れば楽しいという練習を続けてきましたから,弱音での演奏の練習はもとより,そのイメージ練習すらしていませんでした.まあ,今は,それでも良しとしましょう.大きい音が出たほうが楽しいので...しかし,この機械は年末年始も止まらない.

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米国の尺八(1986年)

昔々の写真を整理していたところ,こんな写真を見つけました.

22年前,1986年,米国ウィスコンシン州(中央北部)のArt & Craft Fairで尺八を売っていました.写真の左側のサングラスの青年の作品のようです.Japanese Fluteということで,上に展示されている横置きの笛が横笛,下の縦置きが尺八でした.Shakuhachi; Japanese Meditation Fluteとの表示でした.横笛も尺八も多数のサイズが並べてあります.尺八には$25の値札が見えます.値段相応な造作と思います.今だったら手にしてみるのですが,当時は尺八中断中だったので,写真を撮っただけでした.
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練習再開(少しずつ)

顎の調子をみながら恐る恐る練習を再開しています.顎の位置と動きが少し変わってしまったので,練習休止前の音には程遠い音になってしまっているのはやむをえません.少しずつ修正をしながらの練習です.もっとも2か月も休んだので,それだけでもまともな音が出るはずもありません.吹くたびに勘どころを外していることに気付いています.

しばらく休んでいて良いこともありました.尺八の音がとても新鮮に聞こえます.さらに,それまでどうしても凡庸にしか演奏できなかったフレーズが新鮮で面白いフレーズに聞こえてきます.気のせいだけかもしれませんが,休止中にフレーズが熟成したのかもしれません.

戸惑っていることもあります.休止中に頭の中で響いた旋律は,習い覚えた本曲は別にすれば,どんなにしても5音音階の陰旋法のフレーズではありませんでした.ここまで本曲を練習してきても本曲の語法が身に染みついていなのかと戸惑っています.古典は古典として,今の自分が自らの歌を考えた場合には古典とは少し異なった語法が必要なのかもしれません.

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