一年を振り返って(その4=終)
2年ほど前から明治・大正期の尺八関連本や,尺八が出てくるその時代の文学作品を読んできました.まだその時代の人は江戸末期の虚無僧達の尺八の音を知っているのではないかと,考えたからです.それらの本の記述どおりならば,明治維新後に普化宗が廃止になって明治初期には一部に虚無僧を懐かしむ声もあり,明治中期には一般人の間に尺八愛好家が増えていたようです.その時代以降,尺八演奏家たちは伝統の枠から出て尺八の可能性を追求し,西洋音楽との融合も試み,中には世界を目指した人たちもいたようです.文学作品では,暗い遊郭でじめじめした物悲しい尺八の音が描かれる一方,若者衆が尺八をちょいと腰にさして夜遊びに出かけるようなことも描かれていました.ということで,古い伝統の尺八はどんなものだったのか,またどのような音に聞かれていたのかということは,未だにわからないでいます.ただ,結局そういうことであれば,肩肘はらずに素直に尺八の音を楽しんでいこうと思います.尺八の音に何も足さず,何も引かずに,すなおに音を聞こうと思っています.
===(「一年を振り返って」終わり)===
さて,年が明けて2日には,高校・大学の同級生であり竹友でもある知人と浜松の普大寺跡を訪問する計画を立てています.尺八については新年に向かう大志のようなものは全く持っていません.年初の意気込みもなく粛々と練習して演奏を楽しんでいきたいと思っていますが,始まってみれば何かはあるかもしれません.
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