« 吉田梵仙「拈評三百則不能語」その後 | トップページ | 学生時代のサークルが・・・ »

善養寺氏演奏会

12月20日の善養寺氏演奏会を聴きに出かけました(はるばると...)

松巌軒「鈴慕」
メリ音の美しさが際立つ演奏でした.特にメリ音の中に節目のように入る打ちの手が力強くコロコロと美しく感じました.CDでの演奏と比較すると,最終節が柔らかく演奏され,また最終音も変更され,帰結の感が強くなっていたようです.

普大寺「虚空」
演奏会中で善養寺氏でのお話で,氏がこの曲にもつ印象は私の印象と全く違ったものであることが判りました.演奏でもその違いは明確でした.どうもこれは譜の違いにあるようです.私は対山譜,氏は神如道譜です.両者は一部のフレーズの順に入れ替えがあるものの,音の並びは殆ど同じです.しかし神譜では音の一つ一つに細かな指示が入り,その結果として生まれてくる音楽は対山譜の曲とは異なるものになっているようです.僅かな違いから生まれてくる異なった音楽ということで,私にとっては消化の難しい演奏でした.

佐藤聰明「魂招琴」
ゆったりとリズムを刻みながら流れる音楽です.善養寺氏の六寸管は乾いた響きがしていました.調性は無いか弱い構成の曲なのでしょうがC音への指向があるらしく,安定した音の流れに感じられました.

布袋軒「鈴慕」
私がとても好きな曲で,特に善養寺氏のこの曲の演奏が好きです.曲そのものは劇的な変化と抑揚を持つものですが,氏はこの変化を抑制して演奏しています.弱音の並びにも強音の変化が入り,一方で高揚した音列が最弱音で演奏されます.善養寺氏の長管の柔らかな音と抑制された演奏が相俟って,一条の光の中に引き込まれる演奏でした.

|

« 吉田梵仙「拈評三百則不能語」その後 | トップページ | 学生時代のサークルが・・・ »

音楽生活」カテゴリの記事

コメント

遠い所お疲れ様でした。
師の演奏はよかったですね。人柄が表れるというか、崇高なものを感じました。
一つの世界観があるというのは大変な強みでありそれを体現できる技術というのはすばらしい。
やはりppの美しさというか緊張感というのは惹かれます。

生の音はいいですね。

投稿: ろめい | 2007年12月26日 (水) 23時34分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/186472/17458675

この記事へのトラックバック一覧です: 善養寺氏演奏会:

« 吉田梵仙「拈評三百則不能語」その後 | トップページ | 学生時代のサークルが・・・ »