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上原六四郎「荒木古童翁之小伝」

国立国会図書館蔵書から

このところの勢いにまかせて上原六四郎「荒木古童翁之小伝」を入力しました.

荒木古童が上原の記譜法を習い,地唄の尺八譜を書いた経緯,尺八の製管法を工夫して「十ニ律」に合う尺八を製作した経緯なども書かれています.(入力できない旧字が多々あります.いずれVitsaに更新したら対応します.)

時代の雰囲気が伝わってきます.ご参考まで.

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啓蟄

雪国に暮らして10年になります.太平洋側の生活からは考えられませんが,こちらでは11月からは曇り~みぞれ~霰~雪の日が続き,陽の光を見ることがほとんどありません.ところが,3月初旬になると,雲が晴れ,明るい空がある日突然にやってきます.この日から春になったと確信できる日があるのです.今年は,まさに今日がその日でした.暖冬だった分,今年は1~2週間早かったようです.気候も気分も今日から「啓蟄」です.

あまりに嬉しくて,尺八以外のことを書かないという禁をやぶってしまいました.

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大甲

どうも,チ相当の大甲の音(A)が出ません.大甲のチ(メ)相当の音(F♯ or A♭)が出て,今日,その1音上のリ(メ)相当の音(A♯ or B♭)の音が出ましたが,チ相当の音(A)が出ません.5孔管では出ないのでしょうかね.ときどきこういう尺八の基本でわからないことがあります.

さて話は逸れますが,つい先日実家に所用で帰省したおり,愛知県の豊橋駅で懐かしい駅弁「稲荷寿し」を見つけました.豊橋駅の「ちくわ」は今や全国的に有名ですが,この「稲荷寿し」も昔から名物です.40年以上前とパッケージが何一つ変わっていません(バーコードは新しい).味も懐かしい味で,昔と(たぶん)変わっていませんでした.甘い味付けです.今の味覚では少々味付けが濃いので太巻きとセットのものが良いかもしれません.豊橋に行かれたら,是非,ご賞味を.
Inari

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阪井弁「明治畸人伝 その2

国立国会図書館蔵書から その5

阪井弁「明治畸人伝」から川瀬順輔の言葉を引用したところ,@単管丸さんにいたく喜んでいただきましたので,調子にのって,同書の「川瀬順輔」と「荒木古童」の項の全文を私のHPにアップロードしておきました.今回は,できるだけ旧字のままとし,句読点等も原文どおりとしましたので,とても読みにくくなっています.(@単管丸さんへ,読みにくかったらコピーしてご自身のワープロ上で拡大して読んでください).

「川瀬順輔」・「荒木古童」

原著pdf(抜粋です)が必要ならご連絡ください.

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CD入手

ここ2週間の間に2つのCDを入手しました.

海童道祖「海童道の世界」
 樹海
 鹿の遠音(道曲)
 日本今様
 青い土(道曲)

LPは絶版,CDは未発売なので,LP音源を入手しました.いつものとおりとても魅力的なのですが,真似て真似られるものではなく,学んで学べるものでもなさそうです.「日本今様」で典型的のとおり,尺八楽と言うよりは総合芸術の世界です.

浦本淅潮「浦本淅潮の尺八」稲垣衣白・高橋呂竹編
   (財)日本民謡協会
 調子(虎眼作 一尺八寸管)
 虚空(虎眼作 一尺八寸管)
 布袋軒鈴慕(小笠原清太郎作 一尺九寸管)
 大和調(小笠原清太郎作 ニ尺ニ寸管)
 阿字観(小笠原清太郎作 ニ尺ニ寸管)
 阿字観(小笠原清太郎作 ニ尺ニ寸管)
 三谷(小笠原清太郎作 ニ尺ニ寸管)
 追分(小笠原清太郎作 一尺九寸管)

これでいいのだという強い音の数々は説得力があります.

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文献類のまとめ

昨年末にこのblogに幾つか書いた「文学作品の尺八」を私のHPにまとめておきました.

「近代文学作品の中の尺八」

今後も少しずつ追加します.

また,最近,国立国会図書館で公開されている明治時代の文献の中から,尺八に関係した文献を入手しましたので,それのリストをやはり私のHPに列挙しておきました.

「明治時代文献」

少しずつ解題を書いていくつもりです.ただし,時間がかかりそうです.

これらの作品・文献はすべて著作権フリーなので,必要とされる方には配布できます.

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阪井弁「明治畸人伝」

国立国会図書館蔵書から
その4 阪井弁「明治畸人伝」1903年(明治36年) (「弁」は旧字)

この本の中に48人が紹介されていて,その中に尺八家として川瀬順輔があげられています.幼き頃からの尺八の名手で,富や名声を求めず尺八楽の追求に生涯を捧げた人物として記述されています.さて,そこに川瀬順輔が著者に語ったとされる言葉が引用されています.

「今や楽界の革新期なり,尺八の如きも琴古流の如きに至っては単に琴曲の伴奏者として生命を存ずる者のみ,これ豈(あに)楽器の本来ならんや,然れども其本曲に至っては,古来虚無僧なる者の読経代用の為に作曲せし者なるが為に,余りに陰気にして正しき音楽とは云うべからず,これ新たに作曲を要するの時なり,然るに世の音楽家多く姑息の状態に安んじ,少しく進取的の態度に出づる者を目するに山師を以ってす,是れ憂うべきのことなり,而して其作曲に意ある者も,衣食に資せんが為に,教授を専門とせざるを得ず,故に熟思考慮するの暇無し,歎ずべき哉」(新字で引用)

強烈ですね.三曲での尺八の演奏は「単に琴曲の伴奏」で「楽器の本来」ではなく,また本曲を「正しき音楽とは云うべからず」とし,「新たに作曲」しなくてはならないが世の中はそれができる状況ではないとのこと.川瀬順輔はどのような音楽を求めたのでしょうか? 私は地唄や本曲が悪いとは思いませんが,最近の若い演奏家の活動をみていると,私見ですが,100年たってようやく川瀬順輔のフラストレーションへの回答が出始めたかなとも思います.

なお,この本には荒木竹翁(二代古童)についても48人のひとりとして少々の記述があります.

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根笹派「獅子」裏調子

年が明けてから少しは新しいことを始めようと考えて,「獅子」の裏調子の練習を始めました.もともと演奏しやすい曲なので,裏調子ではさらに音の出しやすい楽しい曲になります.4度下げたり,5度上げたりして工夫しています.本調子で山型構成の曲が,裏調子では双頂の山型になるようです.大甲の音を使ってこれをさらにもう一度山型構成にしてみると緊張感があって面白そうなのですが,大甲のチ(A)がどうしても出なくてうまくいきません.チ(メリ)相当の音(=A♭)までは出ますが,あと半音が足りない...

年末に一回と先週に人前で演奏する機会を作りました.親しい友人の集まりで演奏させてもらいました(=無理やり割り込んだ).じゃあ尺八を一曲...という調子で,それこそ「竹の温まる間もない演奏開始」だったものですから,ろくな音はでませんでしたが,珍しがって楽しんでもらえたようです.年末は「根笹派:流し鈴慕」,先週は「対山派:調子」と「根笹派:獅子(本調子)」でした.

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昔の尺八の値段

以前,ろめいさんから大正時代の尺八の値段を教えていただきました.
1923年(大正12年) 琳風社 低級10円~高級100円 竹友社川瀬先生水野呂童先生監修琴古流尺八, 青木楽器店 低級8円~高級100円  青木誠造.

上村雪翁「尺八独案内」に明治時代の尺八販売の広告を見つけました.
1895年(明治28年)京都俣野眞龍製造尺八 極上壱等 3円,ニ等 2円50銭,~ 六等 80銭,番外 60銭.

比較するものがないのでまた以前のように米価で比較すると,10kg当たりで1895年には69銭,1923年には2円18銭です.この間に米価は約3倍になっています.一方,尺八は安いものが約15倍,高級品は約30倍ということになります.

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新文献(偽)

このような文献を見つけました(ウソです).

尺八の表四孔は水,金,地,火の地球型各惑星を表し,中を抜く管孔は火星軌道に外接して公転する小惑星群ヴァンアレン帯を表し,裏一孔と上下二孔は木,土,天王のガス型巨大惑星を表し,継ぎ手に現れる上下二孔は海王,冥王の二惑星を表すが,冥王星の惑星資格を欠くにより継ぎ手を継いで二孔を合わせて一孔とす.かくの如く尺八は太陽系を表し,その音は地球を発し太陽系隅々まで響くものなり.

尺八の表四孔は生命の根幹たる遺伝子を構成するDNAの四要素なるアデニン,シトシン,グアニン,チミンの四塩基を表し,裏一孔はRNAでチミンに替わるウラシルを表し,管中を貫く管孔は細胞の中心に縷々として存在するDNA分子を表す.七節六節間を掛けた七六四十ニは人の染色体四十ニ本を表し,また七節六節間五孔に上下のニ開孔を加えた二十は生物を形作る二十アミノ酸を表す.かくの如く尺八の音は演奏者聴者の細胞の隅々まで沁み入りその分子の一つまでことごとく響振させるものなり.

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明治時代の尺八資料 2

国立国会図書館蔵書から その2

川本逸童「ヴァイオリン尺八追分節」東京尺八講習会,1912年(明治45年)

変な書名だと思ったところ,これがとんでもない楽譜でした.書名どおりの追分節の楽譜なのですが,尺八用のロツレチ譜と,ヴァイオリン用と称する五線譜と,さらにそれらで表しきれない細かな節回しを「図解」譜で記述してあります.この時代にこんな試みが行われているとは驚きました.この図解譜が秀逸で,もし記述されている音程が正確なら著者は相当な耳を持っていた人です.尺八は2尺1寸管の音程に相当します.尺八譜と五線譜はほぼ正確に対応しています.五線譜には,尺八のユリの指定は書かれていないものの,それ以外は装飾音も含めて同じ旋律がすっきりと書かれています.五線譜は手書きです.この五線譜をもう少し工夫すれば,実際の旋律をかなり正確に表現できるのではないでしょうか.このような曲の場合は,五線譜のほうがロツレチ譜より正確な記録が可能だと思います.

Roture  Gosen Zukai

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