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佐々木味津三:右門捕物帖

文学作品の尺八シリーズ:その8
佐々木味津三:右門捕物帖 血染めの手形

八丁堀の同心右門が突然に奉行所によばれ,幕府の密命を受け,日光に出かけて将軍家の一大事となる事件を解決します.

出発の段になって,まず,手下の伝六とともに甲州街道を西に向かい武蔵野に行き,虚無僧寺の幽光院を訪れ,二人で虚無僧の扮装をして天蓋で顔を隠してから日光に向かいます.

この「幽光院」というのは,「元和(げんな)元年の建立にかかるもので、慶安四年の由比正雪騒動のときまで前後三十年間ほど関八州一円に名をうたわれていた虚無僧寺」という設定ですから,時代と場所と位置付けから,青梅の鈴法寺を想定しているのでしょう.

伝六は虚無僧の扮装をして,「竹しらべひとつ吹けないくせに、もういっぱしの虚無僧になったつもりで、ことごとく大喜び」をしました.二人の姿は「雪駄をうがち、天蓋を深々と面におおい、腰には尺八をただ一つおとし差しにした」というものです.「おとし差し(落差)」は,「刀をきちんとささずに,刀のこじりをまっすぐに下げてさすこと(広辞苑)」とか.道中で二人が歩いていると,「ばらばらっと両三人が行く手を立ちふさぎましたものでしたから、右門もおもわず体をひらいて尺八に片手をかけよう」としたということですから,つまり尺八はすっかり武具の扱いですね.

これも江戸時代が舞台の時代小説ですから,時代考証をウルサク言うのは野暮というもの.

青空文庫HP

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