平等院鳳凰堂 雲中供養菩薩像

宇治の平等院鳳凰堂に行ってきました.


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鳳凰堂は東向きに建てられていて,その中央に本尊の阿弥陀如来坐像があります.その阿弥陀如来坐像の北側(向かって右側)と南側(同左側)の壁に52体の雲中供養菩薩像が掲げられています.

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これについて平等院発行の解説書,平等院(2015)「平等院 雲中供養菩薩」では,

雲中供養菩薩像は藤原頼道によって平等院鳳凰堂が建立された天喜元年(1053)に,本尊の阿弥陀如来坐像とともに大仏師定朝とその一門によって造立されたと考えられる,日本美術史上の名品のひとつである.いずれも雲に乗り,あるいは静かに合掌し,あるいは持物を捧げ持ち,あるいは楽器を手にして音楽を奏で,あるいは立って舞うなど,阿弥陀浄土の諸菩薩(聖衆)の様々な姿を表している.

と,記しています.

この中で,縦笛を吹いている像が2体(北15号,南11号)あります.いずれも左膝を立てた立膝の形で座し,口の当て方から見て,リコーダー型の歌口ではなく,また手の添え方からも,いわゆる雅楽尺八と思われます.

北15号は細面で目をつむり,瞑想するように吹いてます.南11号はふくよかな顔で目を開け,頬を膨らませて吹いています.雅楽尺八を吹く際に頬を膨らませるかなと疑問に思うのですが,前掲書によれば南11号の頭部は明治時代の修理で補われたもののひとつだそうです.


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平等院(2015)「平等院 雲中供養菩薩」

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津田峰子編「音楽獨習全書 明笛尺八獨習」

国立国会図書館で公開されている資料です.

津田峰子編「音楽獨習全書 明笛尺八獨習」
1909年5月31日 修學堂
(著作権法第67条第1項により文化庁長官裁定を受けて公開)

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奥付によれば本書の発行は1909年(明治42年)になっていますが,「はしがき」の日付は1902年(明治35年)です.1909年の再版と思われます.

「はしがき」によれば,楽器としてはオルガンやピアノが最も優れているものの,一般人はとてもそれらを使えないので明笛や尺八を楽しむのが良いとしています.

はしがき
オルガン,ピアノは實に樂器の獅子王ならめされど一般通俗にもてはやさんことはとてもかなわぬことなれば雨の日雪の夜のなぐさみに題號の明笛尺八の優雅なるもの數十をものせしをこたび公(をゝやけ)にさるゝ事となりたれば編者の光榮はこれに過ぎんも啻(たゝ)にあやまりなきを憂ふるのみされどあつむるところいさゝか心したるところも多ければ願くば一本を購(あがな)ふありてよしなに批判を垂れ給へ 
                     あなかしこ
明治三十五年  編者識


尺八の音名として,図のように下から「一」~「七」の呼称を与えています.メリとカリの説明がありません.しかし,曲譜を読むとメリ・カリで調整しなければならない旋律になっていますが,調整しないで良しとするのか,暗黙に調整することを期待しているのか不明です.本書は「独習」書のはずですから,先生から口伝で習うことを意図していないと思うのですが,本当にこれで独習になるのか,判りません.
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音高については図のように「高音(たかね・こうおん)」,「中音(なかね・ちゅうおん)」,「低音(ひくね・ていおん)」の三段階の音の説明があります.オクターブを上げるために強く息を吹き込むという説明は安直ですが,それは別として,尺八の演奏に3オクターブの演奏を期待していたのでしょうか? ただし,曲譜では今で言う「乙」と「甲」に相当する2オクターブのみが使われているように思われます.
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「曲譜」は「俗曲」9曲,「唱歌」6曲,「軍歌」3曲,「明清樂」4曲,「補遺」10曲(民謡など)です.

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桜井はやと君のCD

閑話休題

知人の若者,桜井はやと君が3月にCDを出しました.
「てっぺん」と「希望(ゆめ)」
桜井君は鹿児島の出身.
声量があり,気持ちの良い声です.
  てっぺんになれ! 父の声,いっぱしになれ 母の夢
元気のでる直球での応援歌です.
そういえば,高校時代は野球部だったとか.
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栗原廣太「尺八史考」

栗原廣太「尺八史考」 竹友社
初版 1918年10月5日
再版 1975年12月25日

尺八の歴史を残されている歴史資料を引用・参照して考察した斯界の古典です.虚無僧や虚無僧尺八の起源を資料上は不明とするなど,実証的な姿勢が感じられます.引用した資料の出典が記載されていないことは今となっては惜しいと思います.
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竹内龍一「音 その形態と物理」

竹内龍一「音 その形態と物理 (NHKブックス)」日本放送出版協会
1966年12月10日初版
1979年1月10日第17版

自宅の本を整理していたら,この本を見つけました.おそらく30年以上前に購入した本です.再読します.

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著者は,「はじめに」で以下のように執筆の動機と本書の目的を記しています.

われわれに密接に結びついている音,われわれの生活の環境にとけ込んでいる音についても,ちょっと考えるとさまざまなわからないことがある.われわれが音を聞く感覚や能力は,どんな仕組みになっていて,どのように作用するのであろうか.

われわれに多種多様な面で関連をもつ音,およびそれに関する研究の結果を何かまとまった形で表せないであろうかと考えたのが,この本の最初の構想である.

本書では,まず音の物理性が説明され,その後,「騒音」の性質,人が聴くことができない音について説明されます.

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