中禅寺湖畔のピゴットの滞在地?

明治時代初期に来日した英国人ピゴットは,来日直後,夜の中禅寺湖畔で,対岸の神社への参拝者が灯した無数のロウソクが湖水を照らす中,突然に聞こえてきた明るくやわらかな尺八の音色に感動し,それが一つの動機になって大著「日本の音楽と楽器」を執筆しました.

今年,栃木県は中禅寺湖の畔にある旧英国大使館別荘をリニューアルして英国大使館別荘公園として整備し,7月1日に開園しました.

この旧英国大使館別荘は,元英国外交官のアーネスト・サトウが個人の別荘として建設したものです.いろは坂を登りきって中禅寺湖に面し,右に折れると中宮祠の門前町の街並みがあり,一方,左に折れると外国人の別荘地があり,その中に建てられています.

アーネスト・サトウは1896年に別荘を建てました.ピゴットが来日したのは1889年頃ですので,この別荘がまだなかった時代ですが,おそらくこの別荘地のどこかに滞在したのではないかと思います.対岸に神社が見えたと記述しています.この別荘地の右対岸に二荒山神社中宮祠がありますので,その点からもここが滞在地だろうと推測されます.

さて,ピゴットの聞いた尺八はどこから聞こえてきたのでしょうか.

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富森虚山「明暗尺八通解」

富森虚山(1979)「明暗尺八通解」
   
明暗虚山坊同好会

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【目 次】

明暗尺八通解 前篇
1 楽器尺八の起源、名称、伝来など
2 法燈国師
3 虚竹禅師
4 明暗寺二
5 明暗教会
6 普化正宗明室暗寺
7 明暗寺の伝曲
    相伝曲 三曲伝説 虚鈴・真虚霊 霧海ジ 虚空 艸三虚霊
    嘘・ジの解 三曲弁異 鶴巣籠 巣籠因縁経 巣鶴・古伝巣籠
    鶴巣籠の曲趣と曲想 鶴巣籠の影響 鶴籠と忠臣蔵
8 明暗寺奏法の特色
9 明暗寺尺八流伝の範囲
10 幕末の明暗寺尺八
    見聞役 村田嘉竹 近藤宗悦
11 明治期の明暗寺系尺八
    真島鶴翁 宗悦流・関西流 尾崎真龍・明暗真法流
12 樋口對山・明暗對山派
    津野田露月・明暗露月派 宮川如山・普化尺八 谷狂竹 
   13 小林紫山・明暗尺八
    明珍宗山 谷北無竹 小泉止山
14 明暗寺系尺八の余派
    都山流 上田流 村治流・菊水流 松調流 竹保流
15 明暗尺八現行曲
16 明暗尺八京伝現行曲解題
    調子 鳳叫虚空 龍吟虚空 虎嘯虚空
    鳳鐸 善哉 一二三調 鉢返之曲
    深夜 門開 打鼓 三谷
    秋田 九州鈴慕 志津 瀧落
    恋慕流 阿字 転清掻 陸奥鈴慕
    筑紫鈴慕 曙調 奥州流 雲井之曲
    吾妻之曲 栄獅子 鹿遠音 鶴巣籠七段



明暗尺八通解 中篇 解説前提
1 音,声,韻,余音,余韻,余情
2 尺八のささえかた
3 呼吸
4 体勢
5 楽器尺八の制寸その他
6 初心稽古用尺八
7 尺八速製法
8 尺八取り扱い心得
9 視,聴,吹
10 連管心得
11 尺八と禅



明暗尺八通解 本篇 奏法通解
1 序説
2 符と譜 音符と曲譜
3 基礎音符
4 甲と乙
    十二律音階対照表
5 拍子
6 拍子標記法
7 音間符号(休止符)
独習曲(一)君が代
8 キザミ指法(送リ指)
9 カリとメリ
10 カリ・メリ標記法
独習曲(二)黒田節
11 ハズミ指法
12 ヌキテ (抜キ手)
13 装飾音
独習曲(三)一二三調(1)
14 フリ (振リ)
15 ユリ (揺リ) ・その標記法
16 ウカシ (浮カシ)
独習曲(四)一二三調(2)
17 打 法
  (1)単打指法
  (2)連打指法(連続打法)
  (3)特殊単打指法
       ラ ハラハ ハラロ ホロイ
  (4)特殊連打指法
       カラカラ
  (5)交互連打指法
       ホロホロ ヤラヤラ
  (6)二指相関連打指法
       ツルツル レェレェ チリチリ ウルウル
独習曲(五)鉢返之曲(1)
18 ナヤシ (■)
独習曲(六)鉢返之曲(2) 独習曲(七)鉢返之曲(3)
独習曲(八)鉢返之曲(4)
19 フキキリ (吹切)
20 アタリ (当)
21 チ,ウ, ツ, のメリ
22 スリアゲ
23 特殊音
    ホ(乙)  イ(五)
24 一音一節の扱いかた



明暗尺八通解 独習篇
1 序
2 独習曲(九)調子
3 独習曲(一〇) 一一三調
4 独習曲(一一) 鉢返之曲
5 独習曲(一二) 三谷(部分抄)
6 独習曲 (一三) 志津(部分抄)
7 独習曲(一四) 秋田(部分抄)



別 注

富森虚山略年譜

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上田捨吉 「尺八獨稽古」

上田捨吉 「尺八獨稽古」
1893年(明治26年) 上田捨吉発行
(文化庁長官裁定を受けて公開)

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明治26年発行の尺八の教科書です.

序文によれば,尺八は古来から高尚な楽器で,世の位の高い人が好んでいたとしています.しかし,この演奏法を習熟するのは難しいので,初心者の学習のために当時に流行していた曲の譜を示すことにした,と,言っています.

記譜はフホウエ式.


尺八獨稽古序

音曲(おんぎよく)の種類甚だ多しと雖も頗(すこふ)る高尚(かうしよう)なる音器(おんき)は此尺八にして往古(むかし)より和漢共に風流韻事(いん じ)此右に出る者なし然る故高尚なる■[わざ?]言ふ■[まで]もなきと■ぞかく世に位(くらい)高き人皆此■[わざ?]を好(この)みつるが否々端歌な るわざ味を知るさへむつかしき此に幸ひ余の友人此道にて世上に其名を轟(ととろか)したる故人快道(くわいどう)流の譜音を以て現今流行する唱歌端歌長歌 大津画節等を編し此笛の六音六調に合ひ古樂に合するも此書■獨習得(ゑ)バ此道(このミち)を志る事明(あきらか)なり現今尺八の流行に順(したが)ひ他 に類したる書あると雖も著者已■意を得て初心■[の?]人に不明良(ふめいりよ)の書而(の)已依■余が友人菊水居士が世に持ゆる譜音(ふおん)を此に編 (あみ)し初心の人の手引として則ち尺八獨稽古となるべき書を編輯し席上幽静の風韻を益々社會に普からしめんとす余共意中を大に賛く之以て序を為す

明治癸已春   石腹居士識


曲列目次

  君が代
  今様
  十日恵美寿
  梅が枝
  琉球節
  浅くとも
  高い山
  宇治
  権兵エ種蒔
  せつせ節
  松盡
  大津画
  夕ぐれ
  春雨
  芦刈
  京四季
  詠歌
  高砂
  御所車
  萬歳


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佐藤晴美「琴古流尺八本曲譜」

佐藤晴美「琴古流尺八本曲譜」琴古出版社
初版:1954年~

昔々,学生時代に半分程度をコピーして,持っていました.その後,原本を探していて,やっと見つけました.

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琴古流尺八本曲 解説篇

  1954年初版,1975年四版
一、尺八本曲の由来
二、琴古流尺八略系図
三、琴古流尺八相伝
四、一二三鉢返ノ調
五、同曲の解説概略
六、特殊音符の解説
七、特殊記号と奏法
八、琴古流尺八本曲に就て
九、当流尺八曲目録
十、琴古流本曲全集目録


琴古流尺八本曲譜 全集ノ内 第壹巻
  1954年初版 1965年三版
一二三鉢返の調(ひふみはちかえしのしらべ)
瀧落の曲(たきおとしのきょく)
秋田菅垣(あきたすががき)
同替手
轉菅垣(ころすががき)

琴古流尺八本曲譜 全集ノ内 第貮巻
  1954年初版 1975年三版
轉菅垣(吹合セ)
九州鈴慕(きゅうしゅうれいぼ)
志圖の曲(しずのきょく)
京鈴慕(きょうれいぼ)
霧海ジ鈴慕(むかいじれいぼ)

琴古流尺八本曲譜 全集ノ内 第參巻
  1954年初版 1965年二版
虚空鈴慕(こくうれいぼ)
同 (吹合セ)
眞虚靈前吹 盤渉調(盤渉調)
眞の虚靈(しんのきょれい)
琴三虚靈(ことさんきょれい)

琴古流尺八本曲譜 全集ノ内 第四巻
  1954年初版 1969年二版
吉野鈴慕(よしのれいぼ)
夕暮の曲(ゆうぐれのきょく)
栄獅子(さかえじし)

琴古流尺八本曲譜 全集ノ内 第五巻
  1954年初版 1975年三版
打替虚靈(うちかえきょれい)
葦草鈴慕(いぐされいぼ)
伊豆鈴慕(いづれいぼ)
鈴慕流(れいぼながし)
恋慕流(れんぼながし)

琴古流尺八本曲譜 全集ノ内 第六巻
  1954年初版 1976年三版
鶴の巣籠(つるのすごもり)
巣鶴鈴慕(そうかくれいぼ)
三谷菅垣(さんやすががき)
下野虚靈(しもつけきょれい)
目黒獅子(めぐろじし)

琴古流尺八本曲譜 全集ノ内 第七巻
  1954年初版 1975年三版
吟龍虚空(ぎんりゅうこくう)
同 (吹合セ)
佐山菅垣(さやますががき)
下り葉の曲(さがりはのきょく)
曙・雲井 霧海ジ鈴慕

琴古流尺八本曲譜 全集ノ内 第八巻
  1954年初版 1972年二版
波間鈴慕(なみまれいぼ)
鳳将雛(ほうしょうす)
曙調
壽調
曙・雲井 虚空鈴慕

琴古流尺八本曲譜 全集ノ内 第九巻
  1954年初版 1967年二版
鹿の遠音(しかのとおね)
芦の調(あしのしらべ)
琴柱の曲(ことぢのきょく)
碪巣籠(きぬたすごもり)
曙・雲井 轉菅垣


琴古流尺八本曲譜 全集ノ内 第拾巻

  1954年初版 1977年三版
曙菅垣(あけぼのすががき)
羅風菅垣(らふうすががき)
麟率の舞(りんりつのまい)
太平樂(たいへいらく)
曙・雲井 榮獅子

琴古流尺八本曲譜 全集ノ内 第拾壹巻
  1954年初版 1972年二版
月の曲(つきのきょく)
契巣籠(ちぎりすごもり)
雲海律(うんかいりつ)
蘇莫者(そまくしゃ)
調(しらべ)・回向(えこう)
合図高音(あいずのたかね)
八千代巣籠(やちよすごもり)



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吉田輪童「尺八史譚」

吉田輪童(1987)「尺八史譚」日本音楽社

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目次

尺八異譚
  「古事記」の記述者,多安万侶
  岡田甫「川柳東海道」

一休と尺八

尺八禅語

荒木三世古童の「放送芸談」

内田百閒と尺八

作家と尺八
  岡本綺堂,小栗風葉,永井荷風,辻潤,福田蘭童,吉川英治,中里介山他

尺八に関する語録
  久松風陽「独問答」,「海静法語」
  西村虚空「虚鐸」
  小曽根蔵太「撥雲尋道」
  明石一閑「流泉芸談」
  その他

芸道修行に於けるきまり事


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